Someday[短編]


亜紀さんは泣いていた。

もう、泣かないで…?
いつもの、俺が好きな笑顔で…笑って?




「待ってます。


5年たっても、10年たっても…
俺はずっとずっと待ってます」


「…そんなには待たせないよ」




そう言って、亜紀さんが笑った。
亜紀さんが、笑ってくれた。




「絶対に、会いに行くから。
まだ、いつになるか分からないけど…」


「…俺は待ってますから。

ずっと待ってます。
だから、亜紀さんの気持ちの整理が出来たらでいい。


…また会いましょう」


「うんっ…」




亜紀さんは泣いてたけど…笑顔でうなずいた。
そして俺達は、その場で別れた。



『また会おうね』って言う亜紀さんの言葉を最後に――…


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