Someday[短編]
「…ごめん…亜希…

―――ごめん…」




俺はただ、謝る事しか出来なかった。

ほんとバカだ。
自分の自分勝手な気持ちのせいで、他の人まで巻き込んで…


その時、そっと亜希が俺の手に触れた。




「大事な人、いるんでしょ?ちゃんと。

だったら、何があっても…その人だけを見つめてなきゃ。ね?」




俺は驚いて顔を上げた。
そんな俺に、亜希は優しくニコリと笑いかけた。

その時、俺は決めたんだ。
亜紀さんに、この想いを伝えるって。




「…っほら、早く!」




グイグイと腕を引っ張られ、無理矢理立ち上がらせられる。




「え、…亜希?」


「…早く行って…っ」




その時、やっと気付いた。
亜希はそう言いながらも、ずっと下を向いてて―――泣くのを、我慢してた。

涙を見られないように、必死に隠してた。


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