悪魔のようなアナタ ~with.Reiji 3~
玲士は笑みを浮かべたまま貴之に言う。
この期に及んで敬語なのが恐ろしい。
灯里は恐怖のあまり卒倒しそうになりながら二人を見つめていた。
一刻も早く釈明しなければと思うが、喉が震えて言葉にならない。
貴之は超絶美形の突然の登場にポカンとしていたが、やがて気を取り直し、口を開いた。
そして続いた言葉に、灯里は自分の魂が三億光年彼方に飛んでいくのを感じた。
「……こちらの女性は、私の婚約者です」
――――ヒィィィ!!
と灯里が内心で絶叫したことなどは露も知らず、貴之は続ける。
「すみませんが、急いでおりますので。失礼いたします」
貴之は言い、灯里の腕を引いて再び歩き出そうとした。
……が。