悪魔のようなアナタ ~with.Reiji 3~
灯里の反対側の腕を玲士ががしっと掴む。
二人の男に腕を取られる形となり、灯里はぴきーんと固まった。
そんな灯里の前で玲士はクッと昏い笑みを浮かべる。
「……恋人どころか婚約者とはね。ミジンコがここまでやるとは思わなかったよ」
「……ヒッ、ひぃぃぃっ」
「おれも負けてはいられないね。お前の夫として。……そう思わない? 灯里?」
玲士のブリザードのような声が灯里の耳を打つ。
その声に込められた、苛烈な怒り。
もう、ダメだ……。
灯里は脱力し、その場にへなへなと座り込んだ……。