悪魔のようなアナタ ~with.Reiji 3~
――――そして、10分後。
控室の一角。
「ご迷惑をおかけしてすみませんでしたっっ!!」
貴之は叫ぶように言い、物凄い勢いで玲士に頭を下げた。
あれから二人は玲士に問答無用で控室に連行され……。
そこで事の顛末を全て白状することとなった。
貴之の隣で背を縮こませる灯里を、玲士の冷たい瞳が一瞥する。
「まさか自分の妻がこんな所で他の男の婚約者になってるとはね。さすがのおれでも想像すらしなかったよ」
「……ごっ、ごめ……っ……」
「いくら寛容なおれでも、さすがにこれは許せないね……」
玲士は抑えきれない怒りを瞳に漂わせ、ギロッと二人を見る。
灯里はますます背を縮こませた。
――――玲士が寛容だったことなどあっただろうか?
しかし玲士が怒るのも当然だ。
肩を落とす灯里の横で、貴之が慌てて口を開く。