悪魔のようなアナタ ~with.Reiji 3~
「いや、今回の件は水澤さんが悪いんじゃなく、全面的に僕が……」
「あたりまえだ。あんた人の妻に何させようとしてるわけ? 低レベルにも程があるでしょ?」
容赦ない毒舌が玲士の口から叩きつけられる。
その氷のような言葉に貴之は言葉を飲み込んだ。
無言で項垂れる二人を玲士はしばし眺めた後、はぁと息をついて脇にあった自分の鞄を開いた。
中からノートパソコンを取り出し、手早く開く。
「……全く、馬鹿すぎて話にならないね。あんたもイタいけど、もっとイタいのはあんたの会社の上の連中だ」
「……?」
「いい? よく見てなよ? あんたの縁談相手の会社だけどね……」
玲士は手早くノートパソコンを操作し、画面上にブラウザを立ち上げた。
ブックマークから『JASDAQ・大阪証券取引所』を選択し、クリックする。
灯里と貴之はぽかんと画面を見つめていた。
そんな二人に玲士はため息交じりに言う。