悪魔のようなアナタ ~with.Reiji 3~
玲士は淡々と言う。
貴之は息を飲んで画面を見つめていたが、やがて力なく俯いた。
どうやら玲士の言いたいことが伝わったらしい。
そんな貴之を見ながら、玲士はパタンとノートパソコンを閉じて鞄へと戻す。
「あんたがまずすべきなのは、この事実をあんたの父親に伝えることだ。縁談だの婚約者だのは二の次だ」
「……はい……」
「というわけで。おれはそろそろ、妻を引き取らせてもらうよ?」
玲士は言い、灯里の腕を掴んだ。
その力の強さに思わず息を飲む。
玲士はそのまま踵を返し、振り返ることなく控室を出て行く。
灯里は玲士に引かれるがまま、転がるように廊下へと出た。
「……っ、れ、玲士……っ」
「黙ってついて来なよ。これ以上おれを怒らせたくなければね?」