悪魔のようなアナタ ~with.Reiji 3~



玲士はスタスタとタクシーホールの方へと歩いていく。

――――手から伝わる、冷たい怒り。

恐怖で身を竦ませる灯里を、玲士はタクシーの後部座席へと押し込める。


「……全く。何なのお前の会社? 馬鹿しかいないの?」

「……っ……」

「でも、一番救いようがないのは……どこのどちら様だろうね?」


玲士は腕を組み、うっすらと笑う。

結婚してからは見たことがない、冷たい怒りに満ちた瞳に心が凍りそうになる。

灯里はなすすべもなく、呆然と玲士を見上げていた……。


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