悪魔のようなアナタ ~with.Reiji 3~



玲士は灯里の髪をさらっと撫で、鞄を片手に玄関の方へと歩いていく。

やがてガチャっとドアが閉まる音とともに部屋に静寂が訪れた。

灯里はしばらく茫洋と窓の外を見つめていたが、やがてその目尻から涙がぽろりと頬を伝って落ちた。

玲士の切ない声が何度も脳裏に蘇る。


『……いつになったらお前は、おれだけのものになるの?』


玲士が、どんな気持ちでああ言ったのか……。

それを考えると胸が潰れそうに痛む。

自分は玲士の信頼を裏切り、傷つけてしまった。

玲士が怒るのも当たり前だ。


――――玲士は、自分に呆れたのではないか……。

そう思うと、心が凍る。


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