悪魔のようなアナタ ~with.Reiji 3~



結婚する前より、灯里に対する独占欲は確実に高まっている。

灯里の全てを独占することが名実ともに許された今、以前とは比べ物にならないほど独占欲は強く激しくなっている。

灯里を信じたいのに……

灯里を幸せにしたいのに、閉じ込めたいと思ってしまう。

お前を幸せにするから、お前を閉じ込めることを許して欲しい、と……。

――――そう、言いそうになってしまう。


そんなことをしたら確実に灯里を幸せから遠ざけると、わかっているのに……。

灯里の笑顔を見たい、灯里を幸せにしたいと思うのに……。。


もっと灯里から愛を貰うことができれば、自分の心は安定するのだろうか?

けれど多分、いくら愛を貰ったところで、自分が灯里を信じることが出来なければひたすら渇望するだけだろう。

でもどうすれば信じることができるのだろうか?

信じることができないのは、自分の心が弱いせいだろうか……。


何が、灯里の幸せなのか……。

何が、二人の幸せなのか……。


考えれば考えるほど深みに嵌まっていく。

玲士は重いため息をつき、窓の外に視線を投げた。


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