悪魔のようなアナタ ~with.Reiji 3~
「さすが『アソシエイト』だな。お前にかかればどんな数値のカラクリもバレちまう。経理部にしてみたらたまったもんじゃないだろうな」
「……」
「『アソシエイト』っていうか『エクソシスト』だな。……財務諸表の除霊師。お前、名刺にそう書いたらどうだ?」
長谷部は楽しげに言う。
玲士は冷めた瞳でじろりと長谷部を見た。
「エクソシストは除霊師ではなくて祓魔師です。似て非なるものですよ」
冷やかに言った玲士に長谷部は目を丸くした。
驚いたように玲士を見る。
「……なんだ? 機嫌悪いな、お前?」
「別に。いつもと同じですよ」
と言った玲士だったが。
長谷部にぽんと肩を叩かれ、眉根を寄せた。
「……何ですか?」
「もう昼休みだ。メシに行くぞ」
長谷部は財布をスーツのポケットに突っ込み、すたすたと歩いていく。
玲士はため息をひとつつき、長谷部の後に続いた……。