悪魔のようなアナタ ~with.Reiji 3~



玲士が作る料理には玲士の心が込められている。

玲士の料理を美味しいと思うのは、もちろん腕がいいというのもあるのだろうが、そこに玲士の心を感じるからだろう。

灯里は菜箸をぐっと握りしめた。


今日は、いつも以上に心を込めて作りたい。

自分の気持ちが、伝わるように……。


灯里は卵をボールに割り、かき混ぜた。

牛乳と塩胡椒を入れ、熱したフライパンに流し込む。


「……わ、わわ……っ」


フライパンを熱し過ぎたのだろうか、卵はあっという間に固まっていく。

かき混ぜようとするも、すでに固まってしまっているので手が出せない。

灯里は慌てて火を止め、チキンライスの上に乗せようとした。

……が。

勢いが足りなかったのか、卵はフライパンの上で折り重なってしまった。


「……」



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