悪魔のようなアナタ ~with.Reiji 3~
息も止まるほど抱きしめられ、灯里は息を飲んだ。
玲士の頬が首筋に押し付けられる。
目を見開いた灯里に玲士は呻くように言う。
「……ごめん、灯里」
掠れた声と自分を抱きしめる腕の強さに、胸にじわりと熱いものが込み上げてくる。
きっと灯里が一日悩んだように、玲士も一日悩んだのだろう。
灯里はふるふると首を振り、言った。
「ううん。あたしこそごめんね。今回のことは、あたしが悪かった」
「灯里……」
「あたしがもっとはっきり断ればあんなことにならなかった。……反省してる」
灯里は言い、玲士の肩口に額を押し付けた。
……広くて温かい玲士の胸。
いつも灯里を守り、愛してくれる――――優しい人。