悪魔のようなアナタ ~with.Reiji 3~



玲士は灯里の肩をさらに引き寄せ、パタンとアルバムを閉じた。

背を屈め、横から灯里の顔を覗き込む。

……その、かすかに色を帯びた美しい瞳。

思わずドキッとした灯里に玲士は小声で言う。


「……なんだか話していると欲しくなるね。する? 子作り」

「えっ、ええ……っ」

「本番は秋以降だけど、練習ならいつでもできるよ?」


練習って……。

灯里の顔がさらに赤くなっていく。


熟れたトマトのようになった灯里の頬を、玲士の手が愛おしむように撫でる。

灯里は玲士の肩に寄りかかり、目を伏せた。


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