悪魔のようなアナタ ~with.Reiji 3~
20分後。
灯里の姿は駅前のショッピングモールの中にあった。
ショッピングモールの2階に上がり、目当ての店を探し出す。
店のガラスウィンドウには色とりどりの水着がディスプレイされている。
「いらっしゃいませ~」
灯里が店内に入ると、暇そうにしていた店員がにっこり笑って声をかけてきた。
……今は、9月。
そろそろ時期外れなので客が少ない。
どういうのがいいかなと戸惑う灯里に、店員はいくつか商品をピックアップする。
「お客様は健康的な肌色をされてますので、原色系か白がいいと思いますよ~」
「……そ、そうですか?」
「形はセパレートかワンピースがいいかと思いますけど、お客様の体型ならセパレートがいいですかね?」
店員は灯里の体にいくつか商品を押し当て、うーんと首をひねる。
3着くらい当てたところで店員は言った。
「ところで、お客様はどこに泳ぎに行かれるんですか?」
「実は新婚旅行で、タヒチに……」
「タヒチですか!? いいですね! しかも新婚旅行ですか!?」