悪魔のようなアナタ ~with.Reiji 3~



「ところで、ドレスはどこで着られる予定ですか?」

「えっと、新婚旅行でタヒチに行くので、そのディナーで……」

「新婚旅行!? しかもタヒチですか!?」


店員は驚いたように背を仰け反らせた。

さっきの店でも思ったが、そんなに新婚旅行でタヒチというのは珍しいものなのだろうか。

むしろわりと定番のような気もするのだが。

店員は顔を輝かせ、棚に掛かっていたドレスのうちの一つを取り出した。


「……」


灯里はそれを見、思わずぽかんとしてしまった。

なんというか、物凄く大人っぽいドレスだ。

まじまじと見る灯里に店員は自信たっぷりに言う。



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