悪魔のようなアナタ ~with.Reiji 3~



「タヒチでディナーなら、これしかありませんよ、お客様!!」

「……そ、そうですか?」

「大丈夫です! このドレスを着こなせるのはお客様しかいません!! これならダンナ様も一撃で即死ですよ!!」


店員はにっこり笑い、親指を立てて言う。

灯里は頬を歪め、ハハと苦笑した。


一撃で即死って……。

致命的とかならまだしも即死って……。


このショッピングモールの店員は玲士に何か個人的な恨みでも持っているのだろうか?

……そんなわけないか。

と思いつつ、灯里は渡されたそれをまじまじと見た。

これも自分では選ばないものだが、服のプロが見立てたものに間違いはないはずだ。

――――多分。


灯里は決心し、口を開いた。


「……では、これをください」



< 147 / 172 >

この作品をシェア

pagetop