悪魔のようなアナタ ~with.Reiji 3~
「タヒチでディナーなら、これしかありませんよ、お客様!!」
「……そ、そうですか?」
「大丈夫です! このドレスを着こなせるのはお客様しかいません!! これならダンナ様も一撃で即死ですよ!!」
店員はにっこり笑い、親指を立てて言う。
灯里は頬を歪め、ハハと苦笑した。
一撃で即死って……。
致命的とかならまだしも即死って……。
このショッピングモールの店員は玲士に何か個人的な恨みでも持っているのだろうか?
……そんなわけないか。
と思いつつ、灯里は渡されたそれをまじまじと見た。
これも自分では選ばないものだが、服のプロが見立てたものに間違いはないはずだ。
――――多分。
灯里は決心し、口を開いた。
「……では、これをください」