悪魔のようなアナタ ~with.Reiji 3~
翌日。
夕方の便で成田を出発した二人は一路タヒチへと向かった。
ちなみにタヒチにしたのは灯里の希望である。
『おれは出張でどこにでも行ってるから。お前の行きたいところでいいよ』
と言った玲士に、
『じゃあ、海がキレイなところに行きたい!』
と灯里はリクエストした。
その後、玲士が海の綺麗なリゾートをいくつかピックアップし、二人で話し合った結果タヒチに決まった。
ちなみに二人ともタヒチは初めてだ。
灯里は飛行機のシートを少し倒し、ブランケットにくるまった。
タヒチまでは直行便で11時間。
太平洋のど真ん中にあるため、それなりに時間がかかる。
けれど玲士がビジネスクラスを予約してくれたため、居心地はそれなりに快適だ。
「食事が来たら起こすから。それまで寝てなよ」
玲士は灯里のブランケットを整え、髪を撫でて言う。
……いつになく優しい、その瞳。
何度見ても飽きることのない、朝の湖を映したかのような透明感のある美しい瞳に今更ながら胸がドキドキする。
灯里は軽く頷き、そっと目を閉じた……。