悪魔のようなアナタ ~with.Reiji 3~
11時間後。
飛行機は無事、タヒチの空港に降り立った。
二人が泊まる予定の施設はタヒチ島から船で30分ほどのところにあり、入国審査を経た後、二人は船が発着する桟橋の方へと向かった。
そして船に乗り、30分後。
二人はようやく宿泊施設へとたどり着いた。
「わぁ~……」
灯里は宿泊施設のロビーで辺りを見回しながら言った。
この宿泊施設はホテルではなくコテージタイプで、浅瀬の上に桟橋が架けられており、その先に水上コテージが点在している。
灯里はその美しいエメラルドグリーンの海の色に歓声を上げた。
「すごい! こんなに綺麗な海、見たことないっ」
「そうだね。日本の海とは全然違うね」
玲士も目を細め、海を眺めている。
透明感のある瞳が、海の青を映すととても鮮やかで美しい色になる。
ついまじまじと見てしまった灯里は気恥ずかしくなり、慌てて目を背けた。
やがて二人は係員に水上コテージの方へと案内された。
二人が案内されたのは一番奥のコテージで、中に入った瞬間、灯里は思わず声を上げた。