悪魔のようなアナタ ~with.Reiji 3~
―――― 一時間後。
ようやく翔太から解放された灯里ははぁぁと大きなため息をついた。
翔太は確実にパワーアップしている。
子供の成長は早いとは言うが……。
翔太は喉が渇いたらしく、縁側を上がってキッチンの方へと走っていった。
片付けはどうしようと首を傾げた灯里に、亮士が言う。
「あぁ、それはそのままにしておいて。後で翔太に片付けさせるから」
「あ、はい……」
「灯里さん、遊んでくれてありがとうね。しかしアイツ、まるで遠慮ってものがないな……」
亮士はぼやきながら翔太の後を追って家の中へと入っていった。
――――と、二人きりになったところで。
玲士がすっと縁側から立ち上がった。
唇の端に笑みを浮かべ、灯里が手にしていた機関車キャラのプラ人形を一瞥する。
……その、絶対零度の氷の瞳。
ひぃぃと思わず後ずさる灯里の肩を玲士ががしっと掴む。
「これがお前の子供ね。お前に子供がいたなんて、知らなかったよ?」
「いや、あの、これは……っ」
「それにしてもゴツい子供だね。しかも外人? ……いや、ヒトですらない?」