悪魔のようなアナタ ~with.Reiji 3~
「すごい……っ」
シックな木目とラタンで統一された室内に、吹き抜けの天井、ゆっくりと回るシーリングファン。
テーブルの上にはウェルカムドリンクや果物が用意され、天蓋付きの白いベッドの上にはバスタオルやバスローブ、その他諸々のアメニティが置かれている。
まさに南国という感じの部屋だ。
係員は一通り部屋の説明をした後、軽く頭を下げて部屋を辞した。
「ほら、こっちにおいでよ、灯里」
玲士に呼ばれバルコニーの方に行くと、海へと続く階段があった。
どうやらここから直に海に降りられるらしい。
海は浅瀬でこのあたりは深さは膝丈くらいだが、少し沖の方に行くと深くなるようだ。
そしてロビーがあった方を見ると、白い砂浜が続いている。
どうやらこの宿泊施設専用のプライベートビーチのようだ。
灯里は目を輝かせた。
「あたし、泳ぎたい! 着替えてくるねっ」
言い、灯里はスーツケースを開いて中から水着の入った袋を取り出した。
そのままバスルームに飛び込み、鍵を閉める。
買った時はちょっと派手かなと思ったけれど、この解放感溢れる南の海で着るにはちょうど良いかもしれない。
灯里は上機嫌で着替えを始めた。