悪魔のようなアナタ ~with.Reiji 3~
<side.玲士>
灯里がバスルームに入った後。
玲士は軽く息をつき、バルコニーの椅子に座った。
木でできたそれは適度にしなり、見かけは素朴だが品質が高いことが一目でわかる。
玲士は目の前に広がるエメラルドグリーンの海を見渡した。
玲士もここまで綺麗な海を見るのは初めてだ。
プライベートビーチの方を見ると、宿泊客だろうか、既に何人かが海で遊んでいる。
それにしても……。
「……時差は大丈夫なのか?」
灯里はここに来てからずっとハイテンションだ。
玲士もその気持ちはわかるし、灯里の嬉しそうな、楽しそうな顔を見ていると玲士も心が和む。
――――灯里が喜んでくれて、よかった。
しかし玲士は何度も海外出張に行っているため時差には慣れているが、灯里は慣れてないはずだ。
今日はあまり体力を使わず、早めに休んだ方がいいだろう。
……まだ、時間はいくらでもある。
と、その時。