悪魔のようなアナタ ~with.Reiji 3~
<side.灯里>
――――10分後。
「…………」
灯里は何とも言えない表情でバルコニーから浅瀬へと降り立った。
微妙な表情の灯里に比べ、玲士は機嫌良さそうな笑みを浮かべている。
「さ、行こうか、灯里?」
「……………………」
灯里は水着の上から着せ掛けられたタオル地のポンチョをまじまじと見た。
ポンチョはとても大きく、灯里の膝丈くらいまである。
しかも色は真っ黒だ。
……というか。
「ね、玲士……」
「なに?」
「なんでこんなの着ないといけないの?」