悪魔のようなアナタ ~with.Reiji 3~
灯里は戸惑い、玲士を見上げた。
あれから玲士は受付に行き、受付でこのポンチョを借りてきた。
そして有無を言わさず灯里の頭の上からばさっと着せ掛けた。
――――わけがわからない。
見上げた灯里に、玲士はしばしの沈黙のあと真面目な顔で灯里を見つめた。
「なぜって? ……いい? お前。よく聞きなよ?」
その表情のあまりの真剣さに灯里はゴクンと息を飲んだ。
玲士は灯里をじっと見つめながら、ゆっくりと口を開く。
「オゾン層の破壊で今、南極上空のオゾンホールは過去最大の大きさになっている」
「……は?」
灯里はぽかんと玲士を見た。
――――玲士は突然何を言っているのか?
しかし玲士は真面目な顔で続ける。
「よって太陽からの有害な紫外線もこれまでにない強さになっている。ここタヒチは南極圏に近く、紫外線も強い」
「……はぁ」
「特にこの時期には太陽の黒点の活動でフレアの動きがより活発になっている。紫外線もいつもより強くなっているはずだ」