悪魔のようなアナタ ~with.Reiji 3~



と言った灯里に。

玲士は歩きながら、楽しげにくすっと笑った。


「良かったね。ヨーダとかねずみ男とか言われるよりは大分ましじゃない? あれ、一応中身は人間だしね」

「……ちっが――――う!!」


灯里は玲士の手を振り払い、だん! と足を踏み鳴らした。

そのはずみでぱしゃっと玲士の足に水滴が掛かる。


「……いきなり何すんの、お前?」

「それはこっちが聞きたいわっ! 一体何なの、これっ」

「だから言ったでしょ。南極のオゾンホールが……」

「だから、そうじゃなくってっっ」


灯里は頭を掻きむしり、叫んだ。

ポンチョのホックに手をかけ、脱ごうとする。

が、玲士がその手をすかさず止めた。


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