悪魔のようなアナタ ~with.Reiji 3~



「……お前。それ脱いだら、コテージに強制連行するからね?」

「……へ?」

「夫たるおれが妻の健康を守るのは至極当たり前でしょ? 違う?」


玲士はうっすら笑い、言う。

灯里はその笑みに思わず息をのんだ。

――――こいつは本気だ。


しかし、これでは泳ぐことはおろか立っているだけで不審人物として見られてしまう。

けれど玲士のこの表情を見るに、逆らったらなんだかまずいことになりそうだ。

毎度のことではあるが、こういう時玲士に逆らったら必ず後悔することになる。

それは玲士と付き合い始めてから灯里が身を以て理解してきたことだ。

灯里ははぁぁぁと大きなため息をつき、ホックから手を離した……。



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