悪魔のようなアナタ ~with.Reiji 3~
そして、夕食後。
部屋に戻った灯里は一人バルコニーで夜の海を眺めていた。
――――夕飯は美味しかった。
夕食はタヒチ料理のフルコースで、雰囲気も良く、灯里も料理とお酒を楽しんだ。
けれどこうして部屋に戻ってきてしまうと、昼間のことを思い出してしまう。
明日も、明後日も……
水着もドレスも、普通に着れないのだろうか?
どうして……と思った、その時。
後ろから歩み寄ってきた玲士がそっと灯里の体を後ろから抱きしめた。
「……どうしたの、灯里?」
その優しい声に胸が震える。
いつも灯里を優しく見守り、包んでくれる、愛情に満ちたその眼差し。
結婚して半年が過ぎた今でも、それは変わらない。
むしろ結婚した時より愛情は深く、強くなっている。
灯里は玲士の腕からそっと抜け出し、正面から玲士を見た。