悪魔のようなアナタ ~with.Reiji 3~
3.一歩踏み出す覚悟
――――その後。
玲士の家を辞した二人はそのまま灯里の家へと向かった。
バスで一旦駅前まで戻り、そこから住宅街を歩いていく。
灯里は家への道を歩きながら玲士の家でのことを思い出していた。
今回はあの女と話す機会はなかった。
そのことに少しほっとしている自分もいる。
灯里は歩きながら、あの夜の玲士の言葉を思い出した。
『おれは汚れてる。そうわかってても、どうしてもお前が欲しかった』
二人の間に何があったのか、灯里ははっきり聞いたわけではない。
けれどあの玲士の言葉からするに、多分玲士は被害者なのだろう。
おれは汚れてると言った時の玲士の苦しげな瞳が脳裏をよぎる。