悪魔のようなアナタ ~with.Reiji 3~



きっと玲士は家族のことを考え、闇の中、一人でじっと苦しみに耐えていたのだろう。

そう、わかってはいても……。

二人がお互いの体を知っていると思うと、耐えられない嫉妬が胸を妬く。

玲士はあの女をどうするつもりなのだろうか?

……聞きたいのに、聞けない。

夫婦にはなったけれど……やはり、聞けないこともある。

夫婦になったからと言って、お互いの全てをすぐに理解しあえるわけではない。

灯里は歩きながら無意識のうちにため息をついた。


そんな灯里を。

玲士の瞳が気遣わしげに見つめていたことに、灯里は気付いていなかった……。


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