悪魔のようなアナタ ~with.Reiji 3~
――――20分後。
灯里の家に到着した二人はそのまま客間へと案内された。
新年の挨拶を交わし、テーブルを囲んでソファーに座る。
母の智子、父の誠三、そして弟の柾貴は相変わらず人ならぬものでも見るかのような目で玲士を見つめている。
「……と、とりあえず、お茶でもどうぞ」
「ありがとうございます」
玲士は真っ直ぐな黒髪を揺らしてニコリと笑う。
前回のような異様な爽やかさは漂わせてはいないものの、普段の表情に比べたら格段に優しげな表情を三人に向けている。
これで本性が悪魔だなんて、多分想像すらしてないだろうな……。
と思いながら灯里は出されたお茶をずずっとすすった。
皆がお茶に口を付けたところで、灯里の向かいに座った母の智子が思い出したように言った。
「そういえば。式はいつ頃になる予定なの?」
母の言葉に、灯里はうーんと考えたあと口を開いた。