悪魔のようなアナタ ~with.Reiji 3~
冷たい夜風が新幹線のホームを吹き過ぎていく。
灯里は風に揺れるマフラーを軽く巻き直し、隣に立つ玲士を見上げた。
―――― 一緒に暮らし始めて、二週間。
その端正な横顔も、朝の湖を映したかのような透明感のある瞳も……
何度見ても、つい惹き込まれてしまう。
やがて新幹線が到着し、二人は予約した指定席に座った。
元旦のせいか、ほぼ満席だ。
「灯里、飲み物買ってくるけど。コーヒーでいい?」
「あ、うん」
玲士は踵を返し、売店へと向かった。
その背を見送った後、灯里はシートに背を埋めてはぁと息をついた。
先ほどの晃人の件について、玲士にどう言えばいいだろうか……。
下手なことを言うと玲士の逆鱗に触れる可能性もあるし……。
けれどフォローしないわけにはいかない。
そしてフォローは早いに越したことはない。
やがて玲士が缶コーヒーを手に戻ってきた。