悪魔のようなアナタ ~with.Reiji 3~
「おれがもっと上手く立ち回っていたら、あの女がお前に接触することもなかったのかもしれない。お前を苦しめたのはおれの落ち度だ」
「そんなこと……っ」
灯里はぶんぶんと首を振った。
玲士はずっと苦しみの中にいた。
玲士に非はない。
けれど玲士は軽く首を振り、ため息交じりに言った。
「多分お前の幼馴染なら、お前に知られる前にあの女の弱みを掴んで脅すとか、最悪兄貴と離婚させるとか、そのくらい平気でやるだろうね」
「……っ……」
「攻撃は最大の防御というのをあの男は良く知ってる。後手に回ったのはおれが弱かったからだ。でももうこれ以上、やられはしないよ」
玲士は少し笑い、灯里の頬をそっと撫でた。
――――瞳から伝わる、強い決意。
灯里は吸い寄せられるように玲士を見上げていた。
「玲士……」
「大丈夫だよ、灯里。……お前、おれを誰だと思ってるの? やられっぱなしは性に合わないし、やられたことは倍返しにする主義なんだ」