悪魔のようなアナタ ~with.Reiji 3~
それは灯里もよく知っている。
そして玲士がそう決めたら、確実に実行するということも。
玲士はじっと灯里を見つめ、続けて言う。
「おれが強くなれたのはお前のおかげだよ。お前がおれを闇の中から引きずり出してくれた。そして、おれを受け入れてくれた」
「……玲士……」
「でもおれを受け入れた時、お前はおれの闇を分け合って傷ついた。その傷をおれは少しでも癒したい。そして、お前がこれ以上傷つかないように全力を尽くすよ」
玲士の瞳から伝わる、真摯な愛情。
……灯里を幸せにしたい、と思う強い心。
灯里は目頭が熱くなるのを感じ、慌てて俯いた。
灯里の心にあった不安がしだいに薄れていく。
結婚とは、相手と自分の幸せに責任を持つことなのかもしれない。
玲士が二人の幸せのために一歩踏み出そうと覚悟したように……。
自分も、二人の幸せのためにできるだけのことをしたい。