悪魔のようなアナタ ~with.Reiji 3~
玲士は驚いたように目を丸くした。
灯里がこくりと頷くと、玲士は肩をすくめて言った。
「日本の伝統行事だよ。夫婦になったら初詣の前の晩には必ずするのが常識だよ? ……本当に知らないの、お前?」
玲士の言葉に灯里は首を振った。
全く聞いたことがない。
「なにそれ? 儀式か何かなの?」
「そうだね、儀式の一種かな。これをすることで、今年一年夫婦仲良くしますってことを神に誓うことになるんだ」
「へ~……」
灯里はまじまじと玲士を見た。
――――そんな儀式が世の中にあったとは。
まだまだ世の中には自分の知らないことがあるらしい。
やはり玲士は物知りだ。