悪魔のようなアナタ ~with.Reiji 3~



「それって、初詣の前の夜にしないといけないの?」

「そ。これをしないで初詣に行っても、神様からしたら『お前誰?』ってことになるよ。それじゃまずいでしょ?」

「は、はあ……」

「ちなみにこの儀式は結婚してから10年は続けるのが暗黙の了解だから。途中でやめるとそれまでの御利益が全部なくなるらしいよ?」


玲士は神妙な顔で言う。

10年て……。

何をもって10年なのかよくわからないが、とにかく続けることに意味がある?らしい。

驚く灯里の瞳を玲士が正面からじっと見つめる。

どことなく熱を帯びたその瞳と、玲士の体から香る甘いウッドノートの香りになぜか胸がドキドキする。


「……ち、ちなみに儀式って、何をするの?」


と言った灯里の耳に玲士はすっと唇を寄せた。

いつのまにか玲士の腕が灯里の背に回っている。

ぴしっと背筋を強張らせた灯里の耳元に、甘いテノールの声が忍び込む。


「まずは禊だね。禊はお風呂でいいと思うけど。それが済んだら、……を……して……」

「え……ええっ!!?」


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