悪魔のようなアナタ ~with.Reiji 3~
体に負った傷より、心に負った傷の方が癒えるのに時間がかかる。
玲士はあれから理代のことについては何も言ってこないが……。
灯里は内心で重いため息をついた。
玲士の家族の前ではあの女とも普通に接しなければならない。
灯里もさすがにそれはわかっている。
けれど……。
灯里の不安を察したのか、玲士は足を止めて振り返った。
「……灯里?」
「……あ、ごめん。何でもないよ」
灯里は慌てて言ったが、玲士は気遣わしげに片眉を上げた。
「……あの女が心配?」
「……玲士……」
「大丈夫だよ。お前にはこれ以上手出しさせないから。家に着いたらおれから絶対に離れないこと。いいね?」