悪魔のようなアナタ ~with.Reiji 3~
翌日。
二人は江東区にある富岡八幡宮に初詣に来ていた。
三が日ということもあり、境内は参拝客でかなり混雑している。
灯里は参拝を終えた後、玲士に手を引かれながら辺りを見回した。
「……」
行き交う夫婦を、つい凝視してしまう。
……皆、あの儀式をやってからここに来ているのだろうか?
それにしては皆、普通に歩いている。
こんなに疲労困憊しているのは灯里だけだ。
自分は基礎体力がないのだろうか……。
――――今朝。
灯里は極度の疲労から起き上がることができず、午前中をベッドの中で過ごした。
ようやく起き上れるようになったのは13時を過ぎてからだった。
玲士が作ってくれた昼食を食べ、バスに乗って富岡八幡宮へと向かったのだが……。
「ほら、灯里。たこやきの出店があるよ?」
「……あ、ほんとだ」
「食べる?」
「うん」