悪魔のようなアナタ ~with.Reiji 3~
「あっ、すみません!!」
男性は慌てた様子で灯里が落とした定期入れを拾い、差し出した。
男性はスポーツマンという雰囲気で、玲士とまではいかないがそこそこ顔立ちも整っていおり、背もそれなりに高い。
灯里は差し出された定期入れを慌てて受け取った。
「あ、ありがとうございます……」
「本当にすみませんでした!」
男性は勢いよく頭を下げ、店の中へと入っていく。
――――なんだか体育会系な人だな……。
と灯里は思いながら、定期入れを鞄にしまって会社の方へと歩き出した。