悪魔のようなアナタ ~with.Reiji 3~
「あなたは……」
その男性は朝、コンビニでぶつかったあの男性だった。
二人の様子を見、村上課長が不思議そうに首を傾げる。
「……ん? 君たち、知り合いかい?」
「あ、今朝、そこのコンビニで……」
説明しようとした灯里の前に、その男性はすたすたと歩み寄ってきた。
灯里に向き直り、背筋を伸ばして頭を下げる。
「今朝は本当にすみませんでした!」
「……い、いえその。こちらこそすみませんでした」
「僕は宮村貴之といいます。これからよろしくお願いします」
貴之は言い、爽やかな笑みを浮かべる。
……やはり体育会系だ。
見た感じは灯里と同年代に見えるが……。
けれどまさか、同じ課に属する人だとは思ってもみなかった。
しかし、苗字が『宮村』ということは、彼はこの会社の関係者なのだろうか?
灯里は驚きつつ、村上課長に案内された自席に座った。