悪魔のようなアナタ ~with.Reiji 3~
2.ヒミツの社内恋愛
その日の昼。
灯里は麻衣子とともに外にランチに出た。
麻衣子のお勧めの洋食屋があると言うので、二人で行ってみると……。
店の前に見覚えのある人影が立っていた。
あの体育会系の宮村貴之だ。
「お待たせ、貴之」
麻衣子は彼を見た途端、嬉しそうな笑みを浮かべた。
――――下の名前で呼び捨て?
と怪訝そうに眉を寄せた灯里に、麻衣子は微笑して言う。
「水澤さんには隠してもすぐにバレそうですから言いますけど。私達、実は付き合っているんです」
「へー……」
「あと……。苗字でお分かりかと思いますが、彼は社長の息子なんです」
――――社長の息子。
灯里は驚き、まじまじと二人を見てしまった。
麻衣子に聞いたところによると、麻衣子は25で、貴之は27らしい。
並ぶとけっこうお似合いな感じだ。
しかし貴之が社長の息子とは……。。
と思ったことが分かったのだろうか、麻衣子は目を伏せて哀しげに言う。