悪魔のようなアナタ ~with.Reiji 3~



灯里はあははと笑いながら言った。

今思えば、会社に近いコンビニなので有り得ると言えば有り得るのかもしれない。


「その人、宮村さんって言うんだけどね。年はあたしと同じで、営業やってるの」

「……」

「まるでドラマみたいだよね~。こんなことあるんだって感じ」


灯里は楽しげに言った。

そんな灯里を見つめていた玲士の瞳が、一瞬濃くなる。

……が、それに気づかず、灯里は続ける。


「これが少女漫画だったら、恋が始まるかもっていうシチュエーションだよね~」

「……」

「ほら、昔の青春ドラマとかでよくあるじゃん? 新入社員のOLが、社長の息子と……」


と言いかけた灯里だったが。

隣から鋭い視線を感じ、言葉を止めた。

ん?と思った灯里に、玲士がぐいと顔を近づける。

――――その瞳によぎる、冷やかな鋭さ。

しだいに冷たさを増すその視線に、灯里は目を見開いた。



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