悪魔のようなアナタ ~with.Reiji 3~
「お姉さん、カレシと待ち合わせ?」
横から突然声を掛けられ、灯里ははっと顔を上げた。
見ると。
20代前半だろうか、スーツを着た黒髪の男性が灯里をじっと見つめている。
顔の造りは玲士を神レベルとするとしもべレベルといったところだろうか。
――――とかなり失礼なことを思いながら、灯里は男性をまじまじと見た。
「えっと、その……っ」
「さっきから君を見てたんだけど。カワイイなって思ってね。一緒にランチにでも行かない?」
まさかこんな真っ昼間から堂々とナンパされるとは……。
しかも見た感じ、普通のサラリーマンだ。
東京では、普通のサラリーマンも当たり前のようにナンパするのだろうか?
……恐るべし、東京。
とちょっと見当違いのところで驚く灯里に、男性はすすっと近づく。
あっという間に間合いを詰められ、灯里は目を見開いた。
「あ、あの……っ」
「そこの路地裏にね、美味しい料理屋があるんだ。一緒に行かない?」