悪魔のようなアナタ ~with.Reiji 3~



「……あのさ、玲士……」

「ん?」

「あたしの職場、葬儀屋じゃないんだけど。なんで黒一色なワケ?」


玲士が持ってきたのは、黒いシャツに黒いズボン、黒いカーディガン。

どれも余計な飾りなどはなく、ひたすら実用的な感じだ。

こんなのを着て行ったら暗い人間だと思われてしまう。

職場の中でも明らかに浮くだろう。


「……あのさ、明らかにおかしいでしょ、これ?」


と言った灯里に。

玲士は至極真面目な顔で言う。


「おかしいのはお前でしょ。お前、職場に何しに行くつもりなわけ?」

「……っ……」


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