悪魔のようなアナタ ~with.Reiji 3~

4.歓迎会




翌週の金曜。

19:30。

灯里は機器営業課の課員達とともに上野の駅前を歩いていた。

今日はこれから課員達が灯里の歓迎会をしてくれることになっている。

店は上野駅から御徒町方面に少し歩き、不忍池の角を曲がったあたりにあるらしい。


「新年会のシーズンなんで、なかなか店が取れなくて。ちょっと変わった居酒屋らしいんで、気に入って頂けるか不安なんですけど……」


隣を歩く貴之が不安そうに言う。

この時間、この界隈は帰宅途中のサラリーマンやOLでかなり混雑している。

まだ東京の人混みに慣れていない灯里は、貴之や麻衣子達に遅れないよう必死に歩きながら、口を開いた。


「いえ、お気遣い頂きすみません。でも変わった居酒屋って、どんな感じなんですかねー?」

「ホームページを見ると、なんかお化け屋敷のような、監獄のような、そんな感じでしたけど……」


貴之の言葉に灯里は目を見開いた。

……お化け屋敷? 監獄?

それは果たして本当に居酒屋なのだろうか?


などと思いながら歩いていると、やがて店の看板が見えてきた。

看板の案内に従って、地下に降りて店のドアを開けると……。



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