悪魔のようなアナタ ~with.Reiji 3~




女性店員は手錠から繋がる鎖を引き、笑顔で歩き出す。

灯里はわけがわからないまま慌ててその後に続いた。

どうやら代表で灯里が手錠に繋がれることになったらしい。

しかし手錠を掛けられるのは、初めてだ。


やがて一行は個室へと案内され、灯里は個室の中で手錠を外された。

コートを脱いで鞄を置いたところで、店員が口を開く。


「お料理ですが、ご予約は『満期釈放コース』で承っております。追加注文等ございましたら、そちらのメニューからお選びくださいませ」


『満期釈放コース』って……。

この店では全てにソレ系の名前が付けられているらしい。

唖然とする灯里の前で、店員はオーダー用の端末を胸ポケットから取り出した。


「では、お飲み物の注文をお願い致します」



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