悪魔のようなアナタ ~with.Reiji 3~



ちなみに隣に座った貴之の前には、メスシリンダーに入ったビールが置かれている。

どうやらこの店ではグラスの代わりに実験機材を使っているらしい。


「すごいですね、それ」

「メスシリンダーなんて、見るのは中学の時以来ですよ。まさかこんな所で見るとは思ってもみませんでした」


貴之は楽しげに笑いながら言う。

その爽やかな笑顔はまさに体育会系という感じだ。

……と、ふとテーブルの隅の方を見ると。

麻衣子は別の男性課員と話している。

歓談しているというよりは、男性課員が一方的に麻衣子に話しかけているという感じだ。

あの美貌だし、麻衣子はかなり男性に人気があるのだろう。

灯里は声を潜め、貴之に言った。


「……いいんですか? 麻衣子さんの隣に行かなくて」


灯里の言葉に貴之は軽く首を振り、ため息をついた。



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