悪魔のようなアナタ ~with.Reiji 3~



しかし気持ちが固まっているのなら、進むべき道は一つしかないと思うのだが……。

もちろん社長の息子という立場では、簡単にはいかないのかもしれない。

けれど……。

と思う灯里の横で、貴之はちらりと灯里を見、力なく言う。


「すみません、水澤さんの歓迎会なのにこんな話をしてしまって……」


貴之はビールを一口飲み、気分を変えるように少し笑った。

テーブルの端にあったメニューを取り上げ、灯里に差し出す。


「さ、どんどん飲んでください。もうすぐエイリアンも来るようですし、今のうちに飲んでおいた方がいいですよ?」

「……へ?」


灯里は目を見開いた。

エイリアンて……。

なんだかよくわからないが、どうやらこの店のサービスイベントの一環らしい。

メニューの裏を見ると、エイリアンやら骸骨やらに扮した店員がマジックなどのショーを行うと書いてある。



< 75 / 172 >

この作品をシェア

pagetop