悪魔のようなアナタ ~with.Reiji 3~
しかし気持ちが固まっているのなら、進むべき道は一つしかないと思うのだが……。
もちろん社長の息子という立場では、簡単にはいかないのかもしれない。
けれど……。
と思う灯里の横で、貴之はちらりと灯里を見、力なく言う。
「すみません、水澤さんの歓迎会なのにこんな話をしてしまって……」
貴之はビールを一口飲み、気分を変えるように少し笑った。
テーブルの端にあったメニューを取り上げ、灯里に差し出す。
「さ、どんどん飲んでください。もうすぐエイリアンも来るようですし、今のうちに飲んでおいた方がいいですよ?」
「……へ?」
灯里は目を見開いた。
エイリアンて……。
なんだかよくわからないが、どうやらこの店のサービスイベントの一環らしい。
メニューの裏を見ると、エイリアンやら骸骨やらに扮した店員がマジックなどのショーを行うと書いてある。