悪魔のようなアナタ ~with.Reiji 3~



「結婚式ってさ、スモークの中をゴンドラで降りてきて、帰りは車で空き缶を引いて……」

「お前、いつの時代の話してるの? ま、お前がしたいならおれは止めないけどね。ただしお前一人でやんなよ?」


一人でやったらそれはただの羞恥プレイだ。

楽しげに言う玲士を、灯里はむぅと睨みつけた。


「じゃあさ、玲士はどういう式にしたいわけ?」

「おれ? おれは別に普通でいいかな。普通に挙式して、普通に披露宴やって……」

「……」


灯里はまじまじと玲士を見た。

玲士は灯里よりイベントごとにはマメだ。

しかし玲士が言う『普通』がどの程度のものなのか、灯里にはまるで想像がつかない。


「ま、どういう式にするかは、これから二人で考えていけばいいよ」

「ん、そうだね……」


< 86 / 172 >

この作品をシェア

pagetop