悪魔のようなアナタ ~with.Reiji 3~
「結婚式ってさ、スモークの中をゴンドラで降りてきて、帰りは車で空き缶を引いて……」
「お前、いつの時代の話してるの? ま、お前がしたいならおれは止めないけどね。ただしお前一人でやんなよ?」
一人でやったらそれはただの羞恥プレイだ。
楽しげに言う玲士を、灯里はむぅと睨みつけた。
「じゃあさ、玲士はどういう式にしたいわけ?」
「おれ? おれは別に普通でいいかな。普通に挙式して、普通に披露宴やって……」
「……」
灯里はまじまじと玲士を見た。
玲士は灯里よりイベントごとにはマメだ。
しかし玲士が言う『普通』がどの程度のものなのか、灯里にはまるで想像がつかない。
「ま、どういう式にするかは、これから二人で考えていけばいいよ」
「ん、そうだね……」