悪魔のようなアナタ ~with.Reiji 3~
まずは情報収集からだ。
灯里は頷き、ぱらりとページをめくった。
式をどうするかということもそうだが、誰を呼ぶかというのも考えなければならない。
そしてそれを考えると、思い出したくない人物の姿が脳裏をよぎる。
――――あの女は、玲士の義姉だ。
呼ばないというわけにはいかないだろう。
さすがの灯里もそれはわかっている。
灯里は内心でため息をついた。
玲士と付き合って一年。
灯里はこれまで、自分の中にこんな黒い感情があるとは思ってもみなかった。
焼けつくような嫉妬、苦しみ……。
けれどそれと同時に、玲士はこれまでに味わったことがないような喜びや幸せを自分にくれた。
喜びも苦しみも、玲士とでなければ感じることはない。
一年前には、自分がここまで玲士を好きになるとは思ってもみなかった。
恋愛というものはきっと、これまでの自分を変えてしまうほど破壊力のあるものなのだろう。
―――― 一年前の自分と今の自分は、同じではない。
きっとそれは玲士も同じだろう。
玲士があの女に向き合おうと決心したように……。
自分も玲士との未来のためにできるだけのことをしたい。
灯里はひとつ息をつき、結婚情報誌に視線を戻した。