悪魔のようなアナタ ~with.Reiji 3~
<side.玲士>
灯里はリビングのソファーに座り、結婚情報誌にじっと見入っている。
玲士はしばし灯里を見つめた後、ゆっくりと立ち上がった。
自室の本棚から一冊の本を取り、灯里の隣に戻る。
その本のタイトルは『六法全書』。
――――あの女を、どうするか。
可能であれば結婚式までにある程度片を付けたい。
既に玲士の頭の中では方法は大体決まっているが、それが法に触れないかどうかちゃんと確認しておく必要がある。
詳しい内容はとても灯里に言えるものではないので、秘密裏に行うつもりだが……。
自分だけが苦しむのであれば、ここまですることはないだろう。
だが今の玲士にとっては、自分が苦しむことより灯里が苦しむことの方が何倍も辛い。
それに気付かせてくれたのは、皮肉なことにあの女だった。
もっと早く気づいていれば、灯里が傷つくことはなかったのかもしれない。
その後悔が玲士の考えを変えた。